甍(いらか)と立平(たちひら)
◆第五学年用尋常小学唱歌「鯉のぼり」は「甍の波と雲の波、重なる波の中空を橘かおる朝風に高く泳ぐや、鯉のぼり」、と元気な歌である。甍とは難しい漢字で瓦(日本瓦)のことであり、歌詞はメルヘンだと思う。
◆我家は三州瓦と一部トタン屋根の建売住宅である。当時の約40年前頃から瓦の家は減って、近所の瓦屋さんも間もなく廃業した。新しいスレートやトタンからガリバリュム鋼板の丈夫で軽量の屋根材の家屋になって来た。鯉のぼりは見ない。近所に数軒ある大農家は、昔の黒い日本瓦である。甍の横に大きな鯉のぼりが青空にはためき、歌の通りである。
◆入院の時に「立平」という珍しい名前の人を知り福井地方に多く、トタンやガリバリュム鋼板屋根の盛上りを「立平」というらしい。広辞苑では出てこない。甍の漢字は10年以上前デイサービスに通いはじめ頃知り、「立平」を今頃知った。
◆「やねよりたかい こいのぼり・・・」という「こいのぼり」の童謡は、今多く歌われる。ここにも屋根が出てくる。最近の屋根材の重さは瓦の1割という。屋根は「瓦」だけを思ってきたが耐震で考えると、我家は首都直下型地震震度6強で持つのだろうか。4月25日のネパールの地震では、くり返される地震にほとんど対策がされていなかった。他人事ではないと思いつつも何もしないでいる。 |