金沢翔子の世界(本)
◆金沢康子さんの講演と出版記念に妻が出席した。帰ってきて、娘の金沢翔子さんの出産、子育てと作品について映像を交えた講演内容を聞き、サインしていただいた本もみた。恥ずかしながら金沢翔子さんを知らない。驚くのはダウン症の天才書家である。20歳(2005年)の初個展で注目されNHKで報道、建長寺、建任寺、東大寺、中尊寺等のお寺や障がいとの関わる依頼等により、母子は全国で揮毫、奉納、個展、講演会活動をし、来年3月にはニューヨークで個展という。いわき市遠野と銀座に美術館、山形市山寺記念館がある。母子の教室は障がいの人もいて250人が通うという。
◆講演内容は本にあり、作品(書)に大河ドラマ「平清盛」の題字がある。平清盛が乗り移ったような高揚のなかで生まれたという。建任寺奉納の「風神雷神」は「風神雷神図屏風」(国宝)の絵 を見ていないのに、配置が同じで「知的障がいがあるゆえに魂の純度が極度に高く保たれ、美意識が時空を超えて宗達(図屏風作者)の美意識と一致ではと書道家の母親は記し、講演では私の字のほうがうまいと思うが、娘の作品を見て涙する人がいると述べる。「スポーツ祭東京2013」(国体) の開会式会場での巨大文字の揮毫、その時の天皇陛下の御製(短歌)は、会場の調布市味の素スタジアムに歌碑建立になり、御製の謹書をしたという。
◆本は、今を最大限ににこやかに「生きる」姿と、「不思議な力のなせる奇跡」と紹介の多くの作品であふれる。感動と魂が洗われる思いで、読書週間前に良い本にであった。
|