新聞小説
★小学校5年生の夏休みから年末まで、貸し本で吉川英治の作品を多く読んだ。積読では追加料金が発生するので、学校から帰ると夕飯迄毎日読む。太閤記に始まり、長編難解の三国志を読む頃は秋も深まった。ここで、一生の不覚を取った。夢中に読書し、秋のつるべ落としの薄暗くなっても、気がつかず電灯をつけない。夜は読書はしない。春の検診で近眼がわかり、度数は進まないが眼鏡を今迄使用となった
★その頃から、小説は一気に読む癖がついた。現役の頃、ある人が熱心に新聞小説を読んでいた。僅かの文章を何で楽しみなのだと思ってきた。だが最近になって読むようになり、後で再読一気読みにと、切り抜き保存もしたが、そのままで断捨離であった。
★読売の新聞小説を紹介する。猛暑続く頃「奔る男」が夕刊で始まった。スエーデン五輪(1912年)のマラソン大会に初参加の金栗四三の物語である。30℃を超す猛暑で走り、フラフラになり森に入り倒れて、大会では行方不明の扱いになり、54年後にスエーデンの招待で戻って完走した。記録は54年8ケ月32分20秒の記録保持者になった。朝刊では「流人道中記」浅田次郎作がある。新聞小説の失敗経験から、気合いがはいり面白い。ネットサービスの掲載では「銀座の紙ひこうき」がある。若き頃を思い出す小説である。毎日家にいると新聞小説は楽しみとなった。
★最近、新聞配達所がかわった。新築が増える一方、古い家の高齢化世帯が加速している。ネット時代、新聞離れが配達所に押し寄せているのだろうか。 |